お好み焼き+ごはん問題。その2
◎「汁っけ」だけじゃなく「濃い」味
一見、あっさりしてそうなイメージの塩ラーメンにごはんは合わなさそうである。しかし検索してみると、某インスタントラーメンのスープにごはんで「塩ぞうすい」なるオリジナル料理が出てくる。
インスタントは味が「濃い」。濃いというか、「濃い」といってもソレはおまえのお湯加減次第で濃くも薄くもなる、というツッコミが入りそうなので「強い」と書いておくとしよう。インスタントは様々な調味料やらなんやらが入って味が強めである。ワタクシは「塩ぞうすい」は試したコトは無いのだが、濃い味強い味だったらごはんにも合いそうだ。
基本的にはラーメンであり麺類というのは、濃い味強い味のスープで麺を食べる食べ物。だからあくまで塩ラーメンは「ラーメンの中ではあっさり味」というだけであって、「塩ラーメン+ごはん」というのもあまりイメージはできないし食指は動かないが、ギリギリ「あり」というコトにしておこう。
◎思わぬ伏兵
そんなところに思わぬ伏兵が現れた。TVを見てたらどうも大阪のほうでは「うどん+ごはん」のほうがメジャー(真偽はわからないが)というコトを耳にしたのである。
うどんにごはん、、。こちら東日本の東京や神奈川では、立ち(食い)そばには「いなりずし2ヶ」がサイドメニューとしてあったりするし、いわゆるコンビニ的なラップ包装のおにぎりも置いてある。この場合はあくまでうどんがメインである。うどんだけじゃ物足りないから、それらサイドメニューを加えて腹を満たす。サイド扱いだ。あとは「炊き込みご飯」というのも考えられる。関西圏で言うところの「かやくごはん」。うどんと炊き込み(かやく)ご飯なら、両者とも主役という感じで格差が生じない。平等な世界だ。
しかしどうも「うどん+ごはん」という組み合わせは、調べてみると「うどん=汁物がわり」という解釈がなされているようなのである。こちらの立ちそばでも、例えば「小天丼に小うどん」のようなセット物ならその考えは当てはまる。しかしこの場合あくまでメインは天丼のほうである。小とはいっても、いくら立ちそばでもうどんより天丼のほうが格上になる。かけそば単品よりも豪華でごちそう感が出てくる。この場合のセットのうどんは「汁物」と解釈してる人もいそうである。具に麺(うどんでありそば)が入ってる汁物。汁物としてはちょっと豪華な汁物だ。汁物という、いったんうんと格を下げてから、逆に「麺入りのちょっと豪華な汁物」という、「下の上」的なランク(格)の浮上を狙っている。麺→具に変化しているのだ。
◎うどんであってうどんではない
先ほどの「うどん+ごはん」に戻るが、大きさで言えば単純にうどんのどんぶりのほうが大きい。ごはんに比べて存在感もある。格も上である。ところが「うどん=汁物がわり」という解釈だと、ごはんに対しての汁物(=お吸い物、みそ汁)というかなりの格下になり下がる。格の逆転現象が起きるのである。なおかつそのかなりの格下の存在であるうどんのほうが存在がでかい、という、ここにワケのわからなさ=違和感が出てくる。このへんの解釈のしかたというか、良く言えば考え方の柔軟性に、どうもヒントがありそうな予感がしないでもない。
その3へつづく