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「ヒールがヒールのまま引退する」という難しさに挑戦した成功例。

battle-news.com

先に断っておくが、ワタクシは飯塚選手のファンでもないし、特別な思いがあるワケでもない。ただ選手の離脱に続いてのトピックとしてちょっと興味があった程度のモノだ。興味としては、飯塚選手がこのままヒールを貫いて辞めるのか、元に戻って辞めるのかの一点。でもソレも「強いて言えば」程度の興味でしかなかった。ましてや急に思い出したかのような「天山選手との友情タッグ復活」ストーリーも「とってつけた感」が否めないので興味はない。でも映像を観て思ったコトがあったので、書くコトにする。

まず飯塚選手が入場時、会場である後楽園ホールの客席を狂いながら徘徊した。コレは「飯塚選手の狂ったヒールキャラを保持しつつのお客さんへの挨拶」という解釈ができる。そして実況席の野上アナのシャツを引き裂くという一連の流れ。飯塚選手なりの「今日は来てくれてありがとうな」というコトだ。

飯塚選手は鈴木軍というヒールユニットの一員だ。なので普通に、いわゆるステレオタイプな引退式であり引退試合ができない。キャラに則った動きで進めるのか、天山選手が元のベビーフェイスの飯塚選手に戻して、いわゆる普通の引退式にするのか、がポイント。

で、試合については特に無いのでとばすが、試合後、天山選手が飯塚選手への改心を促し、飯塚選手がお客の声援を聞いて苦しむというお約束的な場面があり、ソコが飯塚選手が元に戻る最後のタイミングで、天山選手が差し出した手を苦しみながらも握り返すという山場が訪れる。しかしその直後に裏切り、結局は天山選手の思いが届かず、ヒールのまま選手生活を終えるコトになる。そして再び飯塚選手はお客さんへ「最後の挨拶」としての徘徊をする。「みんな今までありがとう!」という徘徊。大サービスだ。

ココで同じ鈴木軍のタイチ選手が、「おい飯塚、飯塚待てこの野郎!ほんとに引退するのかどうなんだよ。最後ぐらい自分の口ではっきり言えこの野郎!」

コレはワタクシの解釈としては、まず初めて観に来た人への状況説明という意味合いはあると思う。タイチ選手がこのコトを言うコトによって、「ああ、この飯塚ていう選手は今まで引退について自分の口で言ってないんだ」というコトが解る。でも会社から「辞めなさい」「クビだ」と言われない限りは、自分で自ら会社には「辞めます」と言ったにちがいないだろう。だからこういう一応、大々的に「飯塚選手引退!」と銘打って、式も執り行われているのであって。ただお客さんには自らの口では言ってないから言えよ、というワケだ。だからタイチ選手のこの言葉は「煽り」にもなっている。もしかしたら一言ぐらいなんか言うカモしれない、と。と同時にタイチ選手なりの手向けの言葉でもあるのだ。彼は彼なりに、ヒールユニットの鈴木軍のキャラとして言える範囲での言葉を言っている。ソレはこの後の鈴木軍のボスである鈴木みのる選手の10カウントゴングにも当てはまる。彼は言葉の代わりに自らがゴングを奪い取り(ヒールらしい行為)、乱雑に10カウントを打ち鳴らす(コレも「らしい」)コトで、自分のキャラにそった、言葉ではない手向けの行為だ。この10カウントは「今までありがとう。おつかれさん」という意味にも取れるし「辞めるやつに用はねえ。とっと辞めちまえ」という意味にも取れる。ソレがゴングを打ち鳴らす「乱雑さ」に表れている。

ワタクシはとくにファンでもないが、いくらヒール、狂ったキャラでも一選手として、最後の引退式ぐらいはちゃんとおごそかに、選手生活を終わらせてあげたいと思ったし、この後もしばらくは思ってたけど、たぶん飯塚選手本人が望んだ形だろうし、↑のように解釈するコトによって「こういう引退式もあっていいのではないだろうか」と思い直した。

いわゆる「引退式」という定型を打ち崩した画期的な前例として、今後こういう形も「あり」になっていくのカモしれない。