過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
ムダなコトは1つもない。未来とは「今」の連続である。

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 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

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 Everyday39(エブリデイ・サンキュー)⇒katakoto cafe、やぎ本。につづくかたこと第3の架空のブランド。かたこと流に「毎日が楽しくなる」新たなアイデアを加えたグッズ関係のブランドです。
 ◇最新グッズ◇  『靴箱→ファイルボックスへトランスフォーム!』 

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3日目。その6

ここのおいちゃんは基本的に自慢話が多い。でもまぁ我々は招かれてる側歓待されてる側なのでムゲにはできずに、合い間合い間でとりあえずへーとかほーとか合いの手を入れてるとおいちゃんますます調子づいてくるワケですよ(笑)。そんな感じなのでこちらも何かしら抵抗したいというか、ちょと話しづらそうな話題とかフってみたりなんかして。というかもともと聞いてみたい話題でもあったんだけどね。せっかくの機会だし。
おいちゃんもおばちゃんもまぁケッコーな歳だ。桂子おばちゃんは父親のすぐ上の姉で6人兄弟の長女。ふたりの間にはるみちゃんという一人娘がいる。彼女は地元を離れ会社勤めをしてる。今はもう30代でまだ独身だという。「でも結婚するのはムズかしいんじゃないの?」と父親がおいちゃんに。酒も入ってるから言うコトもストレートになってくる。「できないよ。無理だよ」。ソコまで言う!て感じ。
父親が言うには、コレだけ山やら土地があって管理とかできるの?と。娘だから結婚するとなると旦那が後継ぎになるだろう。その旦那さんが管理やらできるのか。おいちゃんは山いくつもあるとか毎度自慢げに言うけども(もちろん自分が管理してるんだから自慢するでしょう)、ソレらをまんま背負っていかなければならない。引き継いで維持していかなければならない。そういうコトができる人というのが果たして現れるかどうか。少なくとも米作りとか何かしらの経験者じゃないとムズかしそうだとシロウト考えでも思う。いくら恋愛感情があっても現実が巨大すぎる。
じゃあその山やらを売り払おうとしてもいくらにもならないと言う。おいちゃんによると土地というのは高い順にまず人が住める住宅地、その次に農地で、山は一番安い。人の手がほぼ入ってないからだ。整地されてるほうが高い。おまけにここ彦山は国定公園に指定されてるので建ぺい率が20%だという。コレも買う人が限られてくる条件になるだろう。よって誰も買い手がつかなければ最終的に国に二束三文で買い叩かれる。で、まぁ最終的にはそうなるんだろうなという思いもおいちゃんからもうすうす感じとれる。
米も年々安くなってるという。数字的なコトは確かかどうかは分からないけど、おいちゃんが言うには1俵(=60kg)だか10俵だか忘れたけど¥2万だという。ようはとにかく安いと。コレが製品となり流通過程などを経て市場に出てくと高くなるんだよなーとボヤいてたけど、作っても大して¥にならない仕事をあえてやろうと言う人が果たしているかどうか。ここの場合はすでにあるからいいけども、さらに初期投資というか、米作りを始めるのにトラクターやら何やかんや揃えるのに1000万はかかるという。コレもシロウト的には中古やレンタルとかも考えられるけど、つながりがあるから新品で購入せざるをえない場合もあるとのコト。そういう持ちつ持たれつで田舎みたいな小さな共同体は成り立ってるトコロがあるからだ。あそこで買っただの何だのは後々影響してくる。ちょっと考えてみれば、例えば飲食店をやるにしても新品でいろいろ揃えたとしたら、最低1000万は下らないからコレは似たようなモノだ。でもおそらくまだ飲食店のほうが儲かるだろう。結局情熱がないと続かない。よっぽど米作りや農業に憧れとか好きだとかまたは過去に経験があってとか、そういうのがなければとてもじゃないけど利益があがるまでいかないんだろう。おいちゃんが続けられてるのは、たぶん代々続いてる土地だからだ。米作り農家に生まれて、長男で他の仕事に選択肢はなく(といっても途中トラックの運転手もやってたらしいけど)自分が後を継いで、できれば次代に引き渡すリレー走者の役目と責任。ソレはもう自分の人生は自分のモノとは言い切れない「使命」みたいなモノだ。だから自分の仕事に誇りがあるワケだけど、そのくらいの気持ちがなければ、今の世の中米作りはやってけないのではないだろうか。いくらワタクシが一人身だからといって、おいちゃんの話を聞いただけでも即「ムリだなあー」と。ときどき冗談半分で父親にもおまえがやればとか言われるけど、ワタクシが今一人だからといって彦山に移り住んで引き継げばいいと、あっちのモノをこっちに、みたいなそんな単純にはいかない。とてもじゃないがムリだ。
でもおいちゃんもまだまだ米作りは続ける気でいる。自分の身体が動くうちは続けるだろう。どうせ土地が国の管理下になったトコロでいくらにもならない。なら自分の気が済むまで続けるのが最良と言えば最良だ。
おいちゃんは酒好きでもあるので、自分の自慢の焼酎のビンとか箱とかを引っ張り出しては父親に勧める。ワタクシはビールも大して呑めないが、他のお酒は全く味が分からないので、コレは良いとか希少だとか言われても「濃いね」とか「さっきよりウスイネ」とかしか違いがわからない。よって勧められてももったいない。
もういいかげんお腹もいっぱいで残すのは忍びなかったけど、肴も半分がた残してしまった。でまぁ、基本的にこちらの料理は甘いのである。何度も言うけど。なすの煮びたしみたいなのも食べたけど、もはや「なすのコンポート」とでも言うくらい。全体的に甘いので、どれも似たような味に感じられてしまう。でも反対に九州の人からすれば東京の料理は、全てしょっぱく感じられるだろう。よくTVで旅の番組があるけど、あんなすぐうまいだのおいしいだのは言えないと思うな〜。やっぱりその土地土地の独特の味つけというのがあるから、口に合うかどうかというのはあるだろうな。ごはんだけは残すワケにはいかないので、ありがたさを味わいながらしっかり食べた。
シコタマ呑んじゃ食べ、いろんなコトがありすぎたので、はじめての枕にも関わらず横になるなりコテンと寝てしまった。