3日目。その2
コレから行く本家の場所というのが実はよく分かってない。
説明すると長くなるのだけど、ワタクシは前回初めて本家に行った。10年前のコトだ。ソコは父親の生家である。この豊前川崎の地が父親の生まれ育った土地である。よって正しくは門司は父親の故郷ではない。父親は16の時、集団就職でこの地から上京してきた。その後にじいちゃんばあちゃんと兄弟たちは門司に移ったんだそうだ。よって父親は門司には縁も所縁も無い。本家は今現在、その生家から近い場所に引っ越したらしい。そうなると、まずワタクシにはソコがドコなのかサッパリ分からない。前に行った旧本家(と、しとく)なら記憶がオボロゲでもなんとか分かるが、このへんの土地勘があるワケではないのでどんなトコロなのか見当も付かない。そうなると父親の記憶が頼りになるのだけど、父親のほうがまだ幾分土地勘があるとは思うのだけど、なにせ前回から少なくとも10年経っている。しかもたぶん父親の記憶的には、自分が子供の頃走り回ってた頃の、5〜60年前の記憶のほうが強く鮮明だろう。いくら田舎とはいってもソレだけ年月経てば昔はあった川や道の形は変わってる。昔はあったモノが無くなってる。その代わり昔なかったモノが増えている。手がかりがかなり少なくなってる。その少ない手がかりを頼りに探し出さなければならない。
ソレでもまぁタクシーの運ちゃんに聞けば、もバッチリ連れてってもらえるでしょー、なんてタカをくくってたのが甘かった。
そんな予兆はあった。実のトコロ、本家の住所が判明したのがこの日の朝だったのだ。ソレまで門司のおいちゃんにも何度か場所を聞いたのだけど、なんだか返事が煮え切らない。いやワタクシが聞いたのではなく父親が聞いたのだけど、その伝わり聞くところによると、だ。コレで行けるのかなあ〜?なんて鼻で笑ってたのだが、タクシーの運ちゃんに住所を告げると、しばらくして「う〜〜ん、ちょっと分からないですねぇー、、」。
タクシーの運ちゃんも知らないだとぉおおー!?
他にいる運ちゃん同士で話したり、事務所から何やら電話したりしてるが「分かりません」とのコト。
コレもワタクシはなんとなく予想はしていた。住所というのはいくら丁目番地がハッキリしてても、ピンポイントでその場所や家の所在を特定できない。極端に言えば「なんとな〜くこのへん」てな具合で「この範囲」というコトを示してるだけだとワタクシは理解している。ワタクシが町歩きしてて気づいた経験上のコトである。ワタクシが住んでる東京のこのへんにしても3〜4件の家が同じ番地だったりする。ましてや田舎だと、番地の表記のみでは広範囲だ。たとえば「2785番地」だとしても範囲がかなり広い。「この場所!」とピンポイントで特定できないのだ。
でもココで立ち往生してるワケにもいかないので、まぁタクシーに乗って走ってるうちに「このへんカモ、、!」と父親の記憶が呼び起こされるカモしれないなというコトで、とりあえず走りながら探すコトになった、、。
つづく