プロレスにおける「一線」。
もう1度言っておくが、今回のコトは選手が悪いというよりも、このカードを組んでしまった団体側の見通しの甘さによる。選手同士の仲は別に良好でなくても一向に構わない。むしろプロレスラーはジェラシーの塊といっても過言ではないのだから、良好でない方がいろんな感情が試合に投影されて、観る側としては面白いという面はある。だからこそカードを組む人には慎重にカードを組んで欲しいと言いたい。
ようするに、プロレスラーというのは人を簡単に壊せる力を持ってるというコトだ。相手を壊さないギリギリの攻防を繰り広げる、ソコに観る方の醍醐味があるといってもいい。こんなコトをしても壊れないのか!とか、こんなに力持ちなのか!とか、こんなに向こう見ずに飛ぶのか!とか。その一線を越えるのは簡単なのだ。ソコをギリギリで越えない、というのも相手との勝負のうちのひとつなのだ。
プロレスに救われたという気持ちがあってプロレスラーになった、プロレスを続けてるのだとしたら、恩を仇で返してはいけない。世IV虎選手は、プロレスに救われたと感じたかつての自分を裏切ったコトになる。今後は自分の原点の思いに戻って、プロレスに恩返しをするべきだ。ソレが自分を赦すコトにつながる。