『花の詩女ゴティックメード』を観た。
今月はワタクシ的には映画ラッシュ月間で(といっても2本だけど)、1本目のゴティックメードを先週木曜の朝イチの時間で観てきやした。
説明しよう。ゴティックメードとは、ファイブスター物語(FSS)の永野護氏が監督・脚本の新作ロポットアニメ映画である。11月1日ロードショ〜。
なので、まだいくんちも経ってないので混んでるかなーと思って平日の朝イチなんていう早い時間帯で観にいったらば、開始10分前にもかかわらず1割ぐらいの入り。通路に接する席にしたんだけど、もっと中央にすれば良かったかなんて思ったり。
あんまり事前情報は入れてこなかったんだよね。登場人物名とかGTM(このアニメでのロボットの総称。「ゴティックメード(GOTHIC MADE)」の略で、ガンダムでいうトコロの「モビルスーツ」。)のデザインとかは知ってたけど、ストーリーとか人間関係とかはホトンド分からず。
観た感想としては「FSSのパラレルワールドだなーこりゃ」と。ワタクシはFSSは全巻持ってますから、何度も読み返すくらいFSS大好きだけど、だからFSSを休載してまでの永野氏の新作アニメロボット映画というコトで期待無限大!ではありながら、一方でまーいつもの永野節というか、永野氏の大風呂敷を観に行こうではないか(笑)、というキガマエで臨みましたのよ。「どんな風呂敷広げてくるのかな〜」ていう大風呂敷ソノモノを楽しみに行ったというか。永野せんせいはキャラとかメカデザインが好きだから、ある意味内容はさておき、というくらいなモンで、ま内容に関してはFSSアニメ映画版と同等ぐらいのモンならいいよねぐらいの広いココロで。
だもんで、内容はまぁ、正味70分の映画だからね。FSSは12巻あるからアレだけの深さと厚みを盛り込めるワケであって。だからコレから本番?というトコロで映画は終わる(笑)。破壊と創造、戦争と平和というか、破壊の象徴としてのトリハロンと平和の象徴としてのべリン。2人は初めは対立、やがてお互いの心情を理解するようになり歩み寄る。
ていう話の内容はさておき、まず背景の絵がキレイ過ぎ!まるで絵画のような。オーバークオリティだよ!と観ながら思った。でも映画のクライマックスにピントを合わせると、このくらいの方がいいのかな?とかまだ冒頭の時点では思ったりもしたけど。「重さ」とか「迫力」を支えなきゃいけないワケだから、冒頭から同じクオリティでないといけないしね。
あとなんつってもGTMカイゼリンの駆動音がすげえ!何アレ!一瞬デジロックみたい!とか思ったけど。起動音は「女性の幽霊の声に似てる」という情報は知ってからイメージ通りだけど。ただ「すげぇ〜〜」ていう印象が強くて、どんな音だか忘れちった(笑)。やられ役のGTMボルドックス(アレは赤鬼青鬼だよな。1本ツノと2本ツノだし。敵として分かりやすい:笑)の音もカッコええ〜て思ったけど。やっぱ永野せんせいは音楽やってるだけあって音にはこだわってるなあ。
ただ動きはなんか操り人形みたいにカクカクしてんだよなぁー。アレはもうちょっとなめらかな感じにして欲しかったな。でもカイゼリンの動き出すシーンは何度も見たい。あと肝心のバトルが、カイゼリンが圧倒的な強さだから、ダーンダーンバーン!みたいにあっちゅーまに終わっちまって、物足りねぇー!もうちょっとがっつりバトルシーン観たかったなあという感じ。赤く光ったり緑になったり、アレはカッコよかった。
で、なんといってもMK−II&MK−III !!!。アレは、、まさかの?、、「破裂の人形」バンドールではないか!!?MK−IIは今月のNEWTYPEの表紙も飾ってるようにウンダースカッツ(スピードミラージュ)、エルガイムMk−IIをゴティックメード風にリファインしたようなデザイン。飛行形態はエルガイムMk−IIで言うトコロの「プローラー」に近い。映画ではMK−II、IIIとも飛行形態のままで変形せず。残念。。でも巡航→加速の時がかっくいー!ビャーン!て。結局「ドラゴン」なんだよな、デザイン的に、永野せんせいは。カイゼリンの前傾姿勢時の頭から背中にかけてもドラゴンぽいモンね。
驚くのはコレだけじゃなくて、エンドロール後に「あっ!!」と言わせるしかけがあったわ。なるほどそういうコトかぁ〜!ていう。どうりでトリハロンの側近(?)のひげの男が「なんかあの人に似てるなー、、」とか思ったんだよー。あと敵方がカリギュラとか、アレアレぇ〜?ていう。もうね、FSS再開を待ちかねてるファンへの永野先生からのご褒美なんだと思うよ、あの演出は。現に映画観ながら「最新版のFSSをこの感じで映画でやったらどうなんだろうなぁー?観てみたいなぁー」と思いながら観てたモンね。でもそうするとまた5年10年映画制作でFSSお休みだろし(笑)とか。
でもパラサイマルだっけ?あのへんの感じは断片的にFSSのマジェスティックスタンドを彷彿してたし、そういう要所要所で「もし今FSSが映画になったら」に脳内フィードバックしながら楽しむコトもできたしね。今FSSが映画になったらこんな感じなんだろうなー、ていう。で逆にこういう表現を漫画に落とし込んでるんだなと、ソレも分かるね。永野せんせいの頭の中では漫画のあの場面はこういう動きでこういう音が鳴ってこういう感じなんだ、とかが分かるようになる。そうするともう一度漫画読み直してもまた新たな感じになるよね。
しかし、とにかくFSSファンは言うまでもなく観るべきだな。最後まで一度観たら「アレ!?」てなってもう1回「確認」したくなるだろうね。でもエルガイムだってFSSのパラレルワールドのようなモンだからありえるよね。
で、全編に渡るべリン役の川村万梨阿譲の歌が印象に残る。観た日ずっとエンドレスで頭の中で流れてたな。