ちょっと言いたいコトがある。
昨夜のDynamite、まだ全部見てないので(リアルタイムでは半分もみてない)詳しくはまたの機会に書くけど、1つ、青木選手の試合について言いたいコトがある。たぶんいろんなトコロで物議を醸してると思われる。ワタクシもたしかにビミョーな気分。後味は悪い。別に青木選手を擁護するワケじゃないけど、ただ一概に青木選手が悪いとも言えない。整理してみよう。
悪いのは試合後の相手選手に対しての挑発行為。コレはいただけない。たしかにあそこまで攻めて、腕を折りに行くぐらいのテンションの高ぶりで、実際に折ったか脱臼させたかで興奮が冷めやらずああいった行為をしてしまった、というのは分からないでもない。人の腕を折っといて(もしくは脱臼。いずれにしろケガをさせといて)逆に冷静、ていうのならソレはソレで怖いモノがある。でもこの挑発行為自体はもちろんNG。
青木選手ははじめから相手選手の腕を折りに行ったらしい。コレもワタクシはどうかと思うが、ソレはあくまで「そのくらいの気持ちで」というコトならワタクシも分かる。相手選手も「腕の1本や2本くれてやる」という気持ちで試合に臨んでるだろうし、お互いそういう気持ちでリングに上がってるんだろうから、ソレはそのくらいの覚悟があるというコトだ。しかしそういう「キラー」ぶりはあくまで「ナイフをちらつかせる」というコトが試合をヒートさせる、盛り上げるのに有効なのであって、ソレを実際に折ってしまっては興ざめ、ドン引きだ。観客はソコまでするのを見たいワケじゃないだろ。実際にケガさせる前提というのはプロとしていただけないとワタクシは思う。ソレが目的なら何もリングじゃんくて路上のケンカでいい。ソレで選手生命も奪いかねないというコトになったらどうするのか?少なくとも大晦日のお茶の間に届ける映像ではない。
でもこの「腕を折った、もしくは肩を脱臼させた」という出来事自体に関しては青木選手は悪くないとも言える。だって相手選手は自分の腕が折れるもしくは脱臼する前にギブアップもできただろうからだ。コレは最近の桜庭選手vs弁慶ガレシック選手にも当てはまるコトで、プロなら技が決まったと思ったら、速やかにタップなりギブアップの意思表示をするべきだとワタクシは思う。弁慶選手は粘って、桜庭選手がヒザ十字に移行して弁慶選手はヒザの靭帯をやってしまったらしい。でも桜庭選手は試合が終わってすぐに相手の様子を見て謝っている。その違いが桜庭選手と青木選手にはある。
映像を見る限りでは青木選手の口から「ギブアップしろ!」とか「しないと折るぞ!」というような警告を発してるとかどうかは聞き取れないが、レフェリーも「行けるのか?」とか「止めるぞ!」と相手の選手の顔を見て確認してるのは見て取れる。あとあの場面でレフェリーの反対側に位置するセコンド陣が一番近くで状況を見てるのだから、セコンドが止めなくてどうする。アレだけ決まってギブアップの意思表示もないのだから、青木選手としては当然行くトコまで行くしかない。コレは形だけは桜庭選手と同じだ。よってこの「腕折り」に関しては青木選手は悪くない。相手選手のプロ意識の欠如によるモノだからだ。
アレだけ決まってコレ以上だとヤバいぞ、てシロウト目にも分かるのに試合をストップしないレフェリーも悪い。たしかにレフェリーは表情を見てた(ギブアップかどうか聞いてたと思われる)のだから、アームロックの決まり具合に関しては死角で見えてない。ソレも良くないけど、でもセコンド陣は見てるのだから、選手と同じように意地にならないで止める判断もできたはずだ。絶対にああいう形になったら選手同士は意地の張り合いでしかないんだから、選手はギブアップしない。だからレフェリーかセコンドが止めるしかないのだ。セコンドは何も攻撃の指示をするだけが役目ではない。危険だと判断したら選手がいくら試合を続ける意思を見せたとしても試合を止めなければならない。じゃないと試合をしてる選手たちは安心して命を預けられない。何のためにレフェリーがいるんだ、セコンドがいるんだ、て話。